カタツムリ
アンリ・マティスが1953年に制作した晩年の代表作《カタツムリ》(原題: L'Escargot)。紙にグアッシュで彩色した紙片を切り抜き、カンヴァス貼りの紙の上に貼り付けた「切り紙絵」(グアッシュ・デクパージュ) による大作で、サイズは約286×287cmにおよぶ。現在はロンドンのテート (Tate Modern) が所蔵している。
本作は色紙を渦巻状に配置することでカタツムリの螺旋形を抽象的に示しており、マティスは自然の観察から出発しながら、形態を純粋な色面の構成へと還元している。病により絵筆を握ることが困難になった晩年、彼は鋏を「彫刻家のノミ」に喩え、色彩を直接「彫る」という新たな造形手段を確立した。
美術史的には、フォーヴィスム以来マティスが追求してきた色彩の解放を到達点まで推し進めた作品であり、後の色面抽象やミニマリズムにも大きな影響を与えた20世紀美術の重要作とされる。
画像出典: Wikimedia Commons. "File:Matisse - Carra, P18.jpg". License: Public domain. https://archive.org/details/toutloeuvrepeint0000unse (https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AMatisse%20-%20Carra%2C%20P18.jpg)
出典: https://www.tate.org.uk/art/artworks/matisse-the-snail-t00540