ドナルド・ジャッド
ドナルド・ジャッド (Donald Judd, 1928年6月3日 - 1994年2月12日) はアメリカ合衆国ミズーリ州出身の彫刻家・美術批評家であり、1960年代以降のミニマリズムを代表する作家のひとりである。コロンビア大学で哲学と美術史を学び、当初は絵画から出発したが、1960年代初頭に絵画と彫刻の区別を退ける立体作品へと移行した。1965年に発表した評論「Specific Objects」では、絵画でも彫刻でもない「特定の物体」という概念を提示し、ミニマル・アートの理論的枠組みを示した。
作家自身は「ミニマリズム」というラベルを好まなかったが、工業的素材 (鉄、アルミニウム、プレキシガラス、合板など) を用い、外注制作によって作家の手の痕跡を排した連続的・反復的なユニット構成によって知られる。1973年以降はテキサス州マーファに拠点を移し、廃軍施設を恒久設置の場として再生させ、後にチナティ財団 (Chinati Foundation) として制度化した。
代表作: [《Untitled (Stack)》 (1967, The Museum of Modern Art, New York)]、[《Untitled》 (1969, Solomon R. Guggenheim Museum)]、[《Untitled》 (1980, Tate)]、[《15 untitled works in concrete》 (1980-1984, Chinati Foundation, Marfa)]、[《100 untitled works in mill aluminum》 (1982-1986, Chinati Foundation, Marfa)]。
ジャッドの作品と著述は、作品を自律した「物体」として提示するという考え方を通じて、その後の彫刻・インスタレーション・建築・デザインに広範な影響を及ぼし、空間そのものを作品の構成要素とする恒久設置の思想は現代美術館の展示実践にも継承されている。
画像出典: Wikimedia Commons. "File:Donald Judd IMJ2.JPG". License: CC BY-SA 4.0. Own work (https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3ADonald%20Judd%20IMJ2.JPG)。主要参照: MoMA 作家ページ (https://www.moma.org/artists/2992)、Tate 作家ページ (https://www.tate.org.uk/art/artists/donald-judd-1376)。
出典: https://www.moma.org/artists/2992