ホオズキの実のある自画像
エゴン・シーレが1912年に制作した自画像。素材は木製パネルに油彩とグワッシュ。現在はウィーンのレオポルト美術館(Leopold Museum)に所蔵されている。
本作はシーレの代表的自画像のひとつで、痩身の肩を斜めに傾けた構図と、背後に配されたホオズキ(鬼灯)の橙色の実と緑の葉が、白く乾いた背景に鮮やかな対比を生み出している。輪郭線を強調したぎこちないポーズ、削げた頬、鋭く射抜くような視線は、表現主義特有の心理的緊張と自己凝視の姿勢を端的に示し、植物のモチーフが装飾と象徴を兼ねている点も特徴である。同年に描かれた恋人ヴァリ・ノイツィルの肖像と対をなす作品としても知られる。
20世紀初頭ウィーンにおける表現主義の到達点のひとつであり、グスタフ・クリムトの装飾性を受け継ぎつつ、より生々しい身体表現へと踏み込んだシーレの転換期を示す作例として美術史的に重要な位置を占める。
画像出典: Wikimedia Commons. "File:Egon Schiele - Self-Portrait with Physalis - Google Art Project.jpg". License: Public domain. lAGS1DQVHQVm6Q at Google Cultural Institute maximum zoom level (https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AEgon%20Schiele%20-%20Self-Portrait%20with%20Physalis%20-%20Google%20Art%20Project.jpg)
出典: https://www.leopoldmuseum.org/en/collection/masterpieces/89/self-portrait-with-chinese-lantern-fruits