現代アート検定 中級 教科書
01. ART-I-031
- 2021年3月、クリスティーズのオンラインオークションで約6,930万ドルで落札され、NFTアート市場の急成長を象徴する事件となったBeeple(マイク・ウィンケルマン)の作品はどれか。 → Everydays: The First 5000 Days
『Everydays: The First 5000 Days』は、Beepleが2007年から毎日制作してきたデジタル画像5,000点をコラージュした作品で、2021年にクリスティーズで約6,930万ドルで落札された。これは存命作家のオークション史上でも上位に位置する金額であり、NFTがアート市場の主要トピックとなる契機となった。
02. アースワーク・ランドアート
- ロバート・スミッソンの代表作《スパイラル・ジェッティ(Spiral Jetty)》(1970年) が築かれた場所はどこか。 → アメリカ・ユタ州のグレートソルト湖
《スパイラル・ジェッティ》は、ユタ州のグレートソルト湖の北東岸に、玄武岩・土・塩の結晶などを用いて築かれた全長約460メートルの螺旋形の堤防である。水位の変化により水没と再出現を繰り返し、自然と時間そのものを作品に取り込んだランドアートの代表作として知られる。 - クリストとジャンヌ=クロードによって長年構想され、2021年に没後実現されたパリの建築物の梱包プロジェクトはどれか。 → 凱旋門(エトワール凱旋門)の梱包
クリストとジャンヌ=クロードは、1960年代から建造物や自然景観を布で覆う「ラッピング(梱包)」のプロジェクトを展開した。パリの凱旋門を銀青色のリサイクル可能なポリプロピレン布と赤いロープで包む構想は1960年代から温められ、両者の没後の2021年秋に《L'Arc de Triomphe, Wrapped》として実現された。 - 下に示した作品が属する芸術運動・潮流として最も適切なものはどれか。 → アースワーク・ランドアート
この作品は ロバート・スミッソン による「スパイラル・ジェッティ(螺旋の防波堤)」で、アースワーク・ランドアート に分類されます。
03. アルテ・ポーヴェラ
- 下に示した作品が属する芸術運動・潮流として最も適切なものはどれか。 → アルテ・ポーヴェラ
この作品は マリオ・メルツ による「イグルー」で、アルテ・ポーヴェラ に分類されます。
04. インスタレーション・没入型
- アニッシュ・カプーアが2004年から2006年にかけてシカゴのミレニアム・パークに恒久設置した、鏡面ステンレス製の巨大彫刻《Cloud Gate》の愛称として広く知られているのは次のうちどれか。 → The Bean(豆)
《Cloud Gate》はその豆のような形状から「The Bean」という愛称でシカゴ市民に親しまれている。高度に磨かれたステンレス鋼の表面が周囲の摩天楼や空、観客を歪めて映し出し、鑑賞者が作品の一部となる体験を生み出す点が特徴である。カプーアの代表作の一つであり、パブリックアートの成功例として知られる。 - 2018年に東京・お台場で開館し、作品同士が部屋の境界を越えて移動・干渉し合うという「Borderless」のコンセプトで知られたチームラボのデジタルアートミュージアムの名称は次のうちどれか。 → 森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス
正式名称は「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」で、2018年6月に東京・お台場に開館した。作品が固定された部屋を持たず空間を移動して他作品と影響し合う「Borderless」の世界観で国際的に注目され、2022年にお台場会場を閉館後、2024年に麻布台ヒルズで再オープンした。チームラボプラネッツは「水に入る」体験型の別ミュージアムで、コンセプトが異なる。 - 下に示した作品が属する芸術運動・潮流として最も適切なものはどれか。 → インスタレーション・没入型
この作品は オラファー・エリアソン による「ウェザー・プロジェクト」で、インスタレーション・没入型 に分類されます。 - 下に示した作品が属する芸術運動・潮流として最も適切なものはどれか。 → インスタレーション・没入型
この作品は ジェームズ・タレル による「スカイスペース」で、インスタレーション・没入型 に分類されます。
05. キュビスム
- 1907年に制作され、キュビスム誕生の先駆けとされるパブロ・ピカソの作品はどれか。 → 《アヴィニョンの娘たち》
《アヴィニョンの娘たち》は1907年に制作された大作で、5人の女性像を多視点から構成した革新的な作品です。イベリア彫刻やアフリカ仮面の影響が見られ、後のキュビスムの出発点となりました。発表当初はブラックを含む同時代の画家たちにも衝撃を与えました。 - 1908年頃から1914年頃にかけてピカソと密接に共同制作を行い、「ザイルで結ばれた登山者」と例えられたキュビスムの画家は誰か。 → ジョルジュ・ブラック
ジョルジュ・ブラックはピカソと共にキュビスムを創始し、両者は互いの作品が区別困難なほど緊密に協働しました。ブラック自身が「ザイルで結ばれた登山者」と二人の関係を表現したことで知られます。1914年の第一次世界大戦勃発によりブラックが招集され、この共同制作は終わりを迎えました。 - 総合的キュビスム期(1912年頃〜)に導入され、新聞紙や壁紙などを画面に貼り付ける技法は何と呼ばれるか。 → パピエ・コレ
パピエ・コレ(papier collé)は「貼られた紙」を意味し、ブラックが1912年に新聞紙や木目模様の紙を画面に貼り付けたのが始まりとされます。対象を分解する分析的キュビスムから、断片を再構成する総合的キュビスムへの移行を象徴する技法です。後のコラージュ表現の原点となりました。 - 下に示した作品を制作した作家は、次のうち誰か。 → ジョルジュ・ブラック
この作品は ジョルジュ・ブラック による「ヴァイオリンと燭台」(1910年)です。キュビスム を代表する作例のひとつとして知られます。 - 下に示した作品を制作した作家は、次のうち誰か。 → パブロ・ピカソ
この作品は パブロ・ピカソ による「アヴィニョンの娘たち」(1907年)です。キュビスム を代表する作例のひとつとして知られます。
06. コンセプチュアル
- ジョセフ・コスースの代表作《One and Three Chairs》(1965年) は、実物の椅子、椅子の写真、そしてもう一つの要素から構成されている。その「もう一つの要素」とは何か。 → 椅子という語の辞書的定義のテキスト
《One and Three Chairs》は、実物の折りたたみ椅子、その実寸大の写真、そして辞書から引用された「椅子(chair)」の定義テキストの3要素で構成される。物体・イメージ・言語という三つの表象を並置することで、「椅子とは何か」という概念そのものを問う、コンセプチュアル・アートの典型的作例である。 - コンセプチュアル・アートの代表的作家ローレンス・ウェイナー(Lawrence Weiner)の作品の特徴として最も適切なものはどれか。 → 壁面などに直接書かれた言語=テキストによる作品
ローレンス・ウェイナーは作品の実体を「言語(ステートメント)」に置き、ギャラリーや美術館の壁などにタイポグラフィでテキストを直接表示する形式で知られる。彼の「Declaration of Intent」(1968年)では、作品は制作されてもされなくても等価であると宣言され、物質よりも概念を作品の本体とするコンセプチュアル・アートの姿勢を示した。 - オノ・ヨーコが1964年に刊行した著作『グレープフルーツ(Grapefruit)』に多数収録され、彼女の制作の中核をなす形式は何か。 → 観客や読者への指示文(インストラクション)
『グレープフルーツ』は、「想像しなさい」「描きなさい」など、読者・観客に行為や想像を促す短いインストラクション(指示文)を集めた書物で、フルクサスの活動とも共鳴するコンセプチュアル・アートの初期の重要な事例とされる。物質よりも観客の行為や想像の中に作品が成立するという発想を示している。 - 下に示した作品が属する芸術運動・潮流として最も適切なものはどれか。 → コンセプチュアル
この作品は ジョセフ・コスース による「1つと3つの椅子」で、コンセプチュアル に分類されます。
07. シュルレアリスム
- サルバドール・ダリが1931年に描いた、溶けて垂れ下がる時計が荒涼とした風景に配置されている代表作はどれか。 → 記憶の固執
「記憶の固執(The Persistence of Memory)」(1931)はニューヨーク近代美術館(MoMA)所蔵のダリの代表作で、溶ける時計のイメージが時間や記憶の流動性を象徴している。ダリ自身はこの着想を溶けたカマンベールチーズから得たと語っている。 - ルネ・マグリットがパイプの絵の下に「Ceci n'est pas une pipe(これはパイプではない)」と書き込み、イメージと言葉・実物との関係を問うた作品はどれか。 → イメージの裏切り
「イメージの裏切り(La Trahison des images)」(1929)は、描かれたパイプはパイプそのものではなく表象にすぎないことを示し、言語と視覚イメージの関係を批評した。後にミシェル・フーコーが同名の著作でこの主題を哲学的に分析したことでも知られる。 - 凹凸のある木板や石などの上に紙を置き、鉛筆などで擦って模様を写し取るシュルレアリスムの技法「フロッタージュ」を1925年頃に考案した画家は誰か。 → マックス・エルンスト
マックス・エルンストは1925年、宿の床板の木目に触発されてフロッタージュ(擦り出し)技法を考案し、画集『博物誌(Histoire Naturelle)』(1926)にまとめた。偶然性を取り入れたこの技法は、後に絵具を使ったグラッタージュへと発展し、シュルレアリスムのオートマティスム表現に大きく寄与した。 - 1924年に『シュルレアリスム宣言』を発表し、運動の理論的指導者となった人物は誰か。 → アンドレ・ブルトン
アンドレ・ブルトンは1924年に『シュルレアリスム宣言』を発表し、無意識や夢、オートマティスム(自動記述)を重視する芸術運動を理論化した。「シュルレアリスム」という語自体はアポリネールが先に用いていたが、運動として組織したのはブルトンである。彼は1930年に第二宣言も発表し、運動の方向性を定義し続けた。
08. ストリート・グラフィティ
- 下に示した作品が属する芸術運動・潮流として最も適切なものはどれか。 → ストリート・グラフィティ
この作品は ジャン=ミシェル・バスキア による「無題(頭部)」で、ストリート・グラフィティ に分類されます。
09. ダダ
- マルセル・デュシャンが1917年に「R.Mutt」と署名して発表した、男性用小便器を用いたレディメイド作品の題名は何か。 → 泉
《泉(Fountain)》は既製品の男性用小便器に「R.Mutt 1917」と署名した作品で、ニューヨークのアンデパンダン展に出品されたが拒絶された。芸術作品の価値が職人的技術ではなく作家の選択や文脈にあることを示し、レディメイドの概念を象徴する記念碑的作品となった。コンセプチュアル・アートの源流として現代美術に多大な影響を与えた。 - 1916年チューリッヒのキャバレー・ヴォルテールを拠点にダダ運動を牽引し、『ダダ宣言』を著した詩人は誰か。 → トリスタン・ツァラ
トリスタン・ツァラ(本名サミュエル・ローゼンシュトック)はルーマニア出身の詩人で、1916年スイスのチューリッヒでフーゴ・バルらと共にダダ運動を起こした主要人物である。1918年に『ダダ宣言1918』を発表し、論理や秩序を否定する反芸術運動の理論的支柱となった。後にパリへ渡り、ブルトンらとも交流したがやがて袂を分かった。 - 紙片を破って落下させ、落ちた位置のまま貼り付けるなど、偶然性を造形原理に取り入れたコラージュやレリーフ作品で知られるダダの作家は誰か。 → ハンス・アルプ
ハンス(ジャン)・アルプはチューリッヒ・ダダの中心人物の一人で、紙片を落として偶然できた配置をそのまま固定する「偶然の法則に従って配置されたコラージュ」(1916-17年頃)を制作した。作家の主観や意図を排し、偶然を造形原理として導入した点で重要である。後年は有機的な抽象彫刻でも知られ、シュルレアリスムにも参加した。
10. デジタル・AI アート
- 下に示した作品が属する芸術運動・潮流として最も適切なものはどれか。 → デジタル・AI アート
この作品は Obvious(コレクティブ) による「エドモン・ド・ベラミー」で、デジタル・AI アート に分類されます。
11. ビエンナーレ・国際展
- ヴェネツィア・ビエンナーレに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 → 第1回は1895年に開催され、現存する国際美術展としては最も歴史が古い
ヴェネツィア・ビエンナーレは1895年に第1回が開催され、現存する国際美術展として最も長い歴史をもつ。主会場はジャルディーニ(公園)とアルセナーレ(造船所跡)で、各国パビリオンが集まる国別参加方式が特徴である。美術部門は隔年(ビエンナーレ)で開催され、間の年は建築展が行われている。 - あいちトリエンナーレについての次の記述のうち、正しいものはどれか。 → 第1回は2010年に「都市の祝祭」をテーマに開催された
あいちトリエンナーレは2010年に第1回が開催され、初回のテーマは「都市の祝祭(Arts and Cities)」、芸術監督は建畠晢が務めた。主会場は愛知芸術文化センターを中心に名古屋・岡崎・豊田など複数都市で展開されてきた。2019年の第4回「情の時代」の芸術監督はジャーナリストの津田大介で、企画展「表現の不自由展・その後」が大きな議論を呼んだ。
12. フォーヴィスム
- アンリ・マティスの作品で、1905年のサロン・ドートンヌに出品されフォーヴィスム運動の中心的存在となった、妻を描いた肖像画は何か。 → 《緑の筋のあるマティス夫人の肖像》
《緑の筋のあるマティス夫人の肖像》(1905年)は、夫人の顔面中央に緑色の帯を描き入れるなど、自然主義的な肌の色から解放された大胆な色彩使用が特徴です。1905年のサロン・ドートンヌに出品された一連の作品は批評家ルイ・ヴォークセルから「フォーヴ(野獣)」と評され、運動の名称の由来となりました。 - 1905年夏にマティスと共に南仏コリウールに滞在し、鮮烈な色彩によるフォーヴィスムの代表作を生み出した画家は誰か。 → アンドレ・ドラン
アンドレ・ドランは1905年夏、マティスと共に南仏コリウールで制作し、純色を多用した風景画を数多く描きました。同年のサロン・ドートンヌに出品した作品群は、マティスらと共に「フォーヴ(野獣)」と呼ばれる契機となりました。後にドランはセザンヌの影響を受け、より構築的な画風へと移行していきます。
13. ポップアート
- アンディ・ウォーホルがシルクスクリーン作品を量産し、芸術家や音楽家・俳優らが集ったニューヨークのスタジオの通称は何か。 → ザ・ファクトリー
ウォーホルが1962年頃に開いたマンハッタンのスタジオは「ザ・ファクトリー」と呼ばれ、銀色の壁で装飾されていたことでも有名である。シルクスクリーンによる作品の「工場的」な大量制作の場であると同時に、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやイーディ・セジウィックらが集う社交場としても伝説的な存在となった。 - ロイ・リキテンスタインが漫画を引用した作品で多用した、印刷物の網点を模した小さな点による表現は一般に何と呼ばれるか。 → ベンデイ・ドット
リキテンスタインは《Whaam!》や《Drowning Girl》などで、新聞や漫画の印刷に用いられる網点表現を絵画に転用した。この網点は19世紀末に開発された「ベンデイ・ドット(Ben-Day dots)」と呼ばれ、彼は手描きやステンシルで再現することで大量消費文化と絵画の関係を問い直した。 - 1956年にホワイトチャペル・ギャラリーで開催された「This Is Tomorrow」展に出品され、初期ポップアートの代表作とされるコラージュ作品《一体何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力的なものにしているのか?》の作者は誰か。 → リチャード・ハミルトン
リチャード・ハミルトンは英国インディペンデント・グループの中心人物で、雑誌広告などを切り貼りした本作によりロンドン発のポップアートを先導した。ハミルトンは1957年の手紙でポップアートを「ポピュラーで、はかなく、消費的で、安価」などと定義したことでも知られる。エドゥアルド・パオロッツィも同グループの先駆者だが、本作の作者ではない。 - 日用品を巨大化したパブリック彫刻で知られ、《洗濯ばさみ(Clothespin)》(1976年、フィラデルフィア)などを手がけたポップアートの作家は誰か。 → クレス・オルデンバーグ
クレス・オルデンバーグはスウェーデン生まれのアメリカの彫刻家で、ハンバーガーやスプーン、洗濯ばさみといった日用品をモニュメンタルな規模で再現することで知られる。1970年代以降は妻のコーシャ・ヴァン・ブリュッヘンと共同で世界各地に巨大な公共彫刻を設置した。日常品を異化することでポップアートの彫刻分野を確立した代表的存在である。 - 下に示した作品を制作した作家は、次のうち誰か。 → クレース・オルデンバーグ
この作品は クレース・オルデンバーグ による「スプーンブリッジとチェリー」(1988年)です。ポップアート を代表する作例のひとつとして知られます。 - 下に示した作品を制作した作家は、次のうち誰か。 → ロイ・リキテンスタイン
この作品は ロイ・リキテンスタイン による「溺れる女」(1963年)です。ポップアート を代表する作例のひとつとして知られます。
14. ミニマリズム
- ドナルド・ジャッドが1965年に発表した論考のタイトルとして正しいものはどれか。彼はそこで、絵画でも彫刻でもない三次元の新しい作品を提唱した。 → 「特殊な物体(Specific Objects)」
ジャッドは1965年の論考「Specific Objects(特殊な物体)」において、絵画と彫刻のカテゴリーを超えた三次元作品を擁護し、ミニマリズムの理論的基盤を提示した。彼自身は「ミニマリズム」という呼称を好まず、自作を「特殊な物体」と位置づけた。なお「Art and Objecthood(芸術と客体性)」(1967)はマイケル・フリードによるミニマリズム批判の論文である。 - 矩形の枠を脱し、画面の形そのものを作品の構造要素とした「シェイプド・キャンバス」を1960年前後から展開し、ミニマリズム絵画の先駆けとなった画家は誰か。 → フランク・ステラ
フランク・ステラは1959年の「ブラック・ペインティングス」に続き、1960年代初頭にアルミニウム絵画や銅絵画でL字形・U字形などの変形キャンバスを導入し、「見えているものがそのまま見えているものだ(What you see is what you see)」と語った。これは絵画から幻影性を排し、物体としての絵画を強調するミニマリズムの態度を端的に示している。 - 工業的な金属板や煉瓦などを床にじかに並べる「床彫刻」で知られ、テート・ギャラリー所蔵の《Equivalent VIII》(耐火煉瓦120個)で論争を呼んだミニマリズムの彫刻家は誰か。 → カール・アンドレ
カール・アンドレは台座を用いず、規格化された素材を床面に水平に配置することで彫刻の概念を刷新した。1966年制作の《Equivalent VIII》は1972年にテートが取得したことが1976年に英国メディアで取り上げられ、公的資金で煉瓦の山を購入したとして大きな議論を呼んだ。鑑賞者が作品の上を歩ける作品もあり、彫刻と場の関係を再考させた。 - 下に示した作品が属する芸術運動・潮流として最も適切なものはどれか。 → ミニマリズム
この作品は カール・アンドレ による「等価物 VIII」で、ミニマリズム に分類されます。
15. もの派
- 下に示した作品が属する芸術運動・潮流として最も適切なものはどれか。 → もの派
この作品は 関根伸夫 による「位相-大地」で、もの派 に分類されます。 - 下に示した作品が属する芸術運動・潮流として最も適切なものはどれか。 → もの派
この作品は 李禹煥 による「関係項」で、もの派 に分類されます。
16. 印象派・後期印象派
- 下に示した作品を制作した作家は、次のうち誰か。 → クロード・モネ
この作品は クロード・モネ による「ルーアン大聖堂、正面(夕日)」(1892–1894年)です。印象派 を代表する作例のひとつとして知られます。
17. 技法・素材
- アンディ・ウォーホルが《マリリン・モンロー》や《キャンベル・スープ缶》などのシリーズで多用した版画技法はどれか。 → シルクスクリーン(セリグラフィ)
シルクスクリーンは、孔版の一種で、目の細かい布製スクリーンに製版した版を通してインクを刷る技法である。ウォーホルは1960年代以降この技法を用い、写真製版と組み合わせて大量複製的なイメージを制作し、ポップ・アートの代表的手法とした。木版は凸版、エッチングは凹版、リトグラフは平版に分類される。 - マルセル・デュシャンの「レディメイド」の説明として最も適切なものはどれか。 → 既製品をそのまま、あるいは僅かに手を加えて作品として提示する手法
レディメイド(ready-made)とは、マルセル・デュシャンが1910年代に提唱した概念で、既製の工業製品などをそのまま、あるいは署名やタイトル付与といった最小限の操作のみで芸術作品として提示する手法を指す。1917年の《泉》(男性用小便器に「R. Mutt」と署名した作品)が代表例であり、「何を芸術と呼ぶか」を問い直す点で20世紀美術に決定的な影響を与えた。
18. 具体美術協会
- 下に示した作品が属する芸術運動・潮流として最も適切なものはどれか。 → 具体美術協会
この作品は 白髪一雄 による「作品」で、具体美術協会 に分類されます。 - 下に示した作品が属する芸術運動・潮流として最も適切なものはどれか。 → 具体美術協会
この作品は 嶋本昭三 による「嶋本昭三」で、具体美術協会 に分類されます。
19. 現代日本作家
- 下に示した作品が属する芸術運動・潮流として最も適切なものはどれか。 → 現代日本作家
この作品は 塩田千春 による「糸のインスタレーション」で、現代日本作家 に分類されます。 - 下に示した作品が属する芸術運動・潮流として最も適切なものはどれか。 → 現代日本作家
この作品は 宮島達男 による「C.T.C.S. トリコロール No.8(LEDカウンター)」で、現代日本作家 に分類されます。
20. 市場・オークション
- クリスティーズとサザビーズに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 → 両社とも18世紀のロンドンで創業した老舗オークションハウスである
サザビーズは1744年、クリスティーズは1766年にいずれもロンドンで創業した、世界最古級のオークションハウスである。両社は長らく国際美術市場の二大巨頭として君臨し、現代アートのセカンダリーマーケットにおいても圧倒的なシェアを誇る。現在はクリスティーズがフランスのアルトミス・グループ(ピノー家)傘下、サザビーズがパトリック・ドライ氏傘下にある。
21. 象徴主義・世紀末
- 下に示した作品を制作した作家は、次のうち誰か。 → グスタフ・クリムト
この作品は グスタフ・クリムト による「接吻」(1907–1908年)です。象徴主義 を代表する作例のひとつとして知られます。
22. 抽象表現主義
- 床に広げたカンヴァスの上で絵具を滴らせる「ドリッピング(ポーリング)」技法によりオールオーヴァーな画面を生み出し、抽象表現主義を代表した画家は誰か。 → ジャクソン・ポロック
ジャクソン・ポロックは1940年代後半から床に置いたカンヴァスに絵具を垂らしたり振りかけたりするドリッピング技法を本格化させ、《Number 1A, 1948》などの代表作を生んだ。中心や構図を持たず画面全体が均質に展開する「オールオーヴァー」絵画は、戦後アメリカ美術を世界の前衛へ押し上げた。批評家クレメント・グリーンバーグらが理論的に擁護したことでも知られる。 - マーク・ロスコの代表的な作風として知られる、矩形の色面を画面に水平に積み重ねた様式は何と呼ばれるか。 → カラーフィールド・ペインティング
ロスコは1950年代以降、輪郭がにじんだ大きな矩形の色面を縦に重ねる様式を確立し、これは「カラーフィールド・ペインティング(色面絵画)」と呼ばれる。鑑賞者に瞑想的・崇高な体験を喚起することを目指した点が特徴で、ヒューストンのロスコ・チャペルはその到達点として知られる。 - ウィレム・デ・クーニングが1950年代前半に発表し、激しい筆触で女性像を描いて物議をかもした連作は何か。 → 《ウーマン》シリーズ
デ・クーニングは1950〜53年頃に《ウーマンI》をはじめとする《ウーマン》シリーズを制作した。抽象表現主義のさなかに具象的な人物像へ回帰したことで議論を呼んだが、荒々しい筆触と歪んだ造形は彼の代表的様式として高く評価されている。 - バーネット・ニューマンの絵画に見られる、大きな色面を垂直に切り裂くように走る細い帯状の線は何と呼ばれるか。 → ジップ
ニューマンは広大な単色の色面に1本ないし複数本の縦の帯を配したが、これを「ジップ(zip)」と呼んだ。代表作《ワンメント I》(1948)で確立されたこの手法は、色面を分割すると同時に統合する役割を担い、後のカラーフィールドやミニマルアートにも大きな影響を与えた。
23. 彫刻・立体
- スイス出身の彫刻家アルベルト・ジャコメッティが第二次世界大戦後に制作した、極端に細長く引き伸ばされた人物像で知られる代表作はどれか。 → 《歩く男》
《歩く男(L'Homme qui marche)》は1960年前後に制作されたジャコメッティの代表的なブロンズ彫刻で、極端に細く引き伸ばされた人体像は戦後の人間存在の孤独や脆さを象徴するとされる。実存主義の哲学者サルトルらにも評価された。《空間の鳥》はブランクーシ、《地獄の門》と《接吻》はロダンの作品である。
24. 美術館・コレクション
- ロンドンのテート・モダンは、もともとどのような建物を改装して2000年に開館したか。 → 旧火力発電所
テート・モダンは、テムズ川南岸に建っていたバンクサイド発電所(Bankside Power Station、ジャイルズ・ギルバート・スコット設計の旧火力発電所)を、スイスの建築家ユニットであるヘルツォーク&ド・ムーロンが改装し、2000年5月に開館しました。巨大なタービンホールを生かしたインスタレーション展示の舞台としても有名です。
25. 表現主義
- ドイツ表現主義の画家エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーが、第一次世界大戦前のベルリンの都会的な不安や疎外感を、尖った輪郭線と歪んだ遠近法で描いた連作として知られるのはどれか。 → 「街路」シリーズ
キルヒナーは1913〜1915年頃にかけて「ベルリンの街路」シリーズを制作し、毛皮をまとった娼婦や紳士たちを鋭い斜線と尖った輪郭で描いた。これらは表現主義を代表する都市絵画とされる。「叫び」はムンク、「兵士の風呂」はキルヒナーと混同されやすいが別系統の作品である。 - 1911年にミュンヘンで結成され、カンディンスキーやフランツ・マルクを中心メンバーとした表現主義のグループはどれか。 → デア・ブラウエ・ライター(青騎士)
「青騎士(デア・ブラウエ・ライター)」は1911年にカンディンスキーとマルクを中心にミュンヘンで結成され、精神性と抽象性を重視した。一方「ブリュッケ(橋)」は1905年にキルヒナーらがドレスデンで結成した別の表現主義グループであり、両者は地域・時期・志向が異なる。